実装のポイント
横浜みなとみらい21(MM21)地区は、環境省の「脱炭素先行地域」として2030年度までにゼロカーボンを目指す。地区CO₂排出約29万トン/年のうち約3割(約9万トン)を占める「熱」の脱炭素化に向け、みなとみらい21熱供給(株)が運営する既存の集中熱供給インフラを活かし、2024年4月から「環境価値付熱料金メニュー」を新設。1年余りで熱由来CO₂の約3割に相当する約2万7000トンの削減を達成した。
具体的な手順
- 排出量構造の分析: 地区CO₂排出を「電気由来70%」「熱由来30%(約9万トン)」に分解し、既存インフラで即効性が期待できる「熱」を優先課題として特定
- 集中熱供給インフラの活用確認: みなとみらい21熱供給(株)が地区内プラントで熱を集中製造し、既設の導管網で各施設に配送している既存ネットワークを新規設備投資なしに活用
- 2プランの環境価値メニュー設計:
- 再エネプラン(国際基準対応): RE100・CDP等の国際認証で使用可能な再エネ由来熱として認定
- CO₂フリープラン(国内基準対応): 国内排出量削減として計上可能
- テナント企業へのオプトイン展開: 68施設を対象に選択制(強制でなくオプトイン形式)で導入を促進。各施設のサステナビリティ方針に合わせてプランを選択可能にする
- 採用状況・削減量のモニタリング: 施設ごとの採用プランと実際のCO₂削減量を継続追跡し、対外報告に活用
得られた結果
- 熱由来CO₂削減量:約2万7000トン(熱由来総排出量の約3割に相当)
- 68施設中31施設が導入(導入率約46%)
- 導入施設の約7割が「再エネプラン」(国際基準)を選択し、RE100等の国際認証対応ニーズの高さを確認
- 新規インフラ投資なしに既存の集中熱供給網を活用することで、低コストで大規模削減を実現
- 電気由来(70%)の脱炭素化と合わせた地区全体のゼロカーボン達成に向けた主要ステップを完了