やったこと

包丁などの伝統工芸品を扱うTAIMATSU(東京都中央区)は、DHLの「GoGreen Plus」プログラムを活用し、2025年の輸送に伴うCO₂排出量を全体で23.7%削減した。SAF(持続可能な航空燃料)を航空貨物に適用するDHLのプログラムを日本国内の中小輸出企業として採用し、特に欧州向け配送ルートで顕著な削減効果を確認した。

具体的な手順・工夫

DHL GoGreen Plusプログラムの仕組み

GoGreen Plusは、荷主企業がDHLに追加費用(プレミアム)を支払うことでSAFの使用量を支援し、その分の削減CO₂量をScope3排出量として計上できる仕組み。SAFは従来の化石燃料航空燃料に比べてライフサイクルベースで最大80%程度のCO₂削減効果があるとされる。荷主は自社でSAFの調達・利用をする必要はなく、DHLとの契約だけで削減効果を得られる。

欧州ルートへの重点適用

TAIMATSUは全輸送ルートに均等に適用するのではなく、輸送距離が長く排出量インパクトの大きい欧州向け航空貨物に重点的にGoGreen Plusを適用した。「欧州ルートで顕著に表れている」との社内評価があり、排出量削減の費用対効果を最大化する選択をした。

Scope3 カテゴリ4(輸送・配送)への算入

輸送会社のプログラムを活用した削減量は、荷主側のScope3排出量削減実績として算入できる。自社で輸送手段を保有しない中小企業にとって、Scope3削減の現実的な手段となる。

得られた結果

  • CO₂削減率:2025年輸送全体で23.7%削減
  • 適用ルート:欧州向け航空貨物が主要適用対象(効果が最も顕著)
  • 利用サービス:DHL GoGreen Plus(SAF使用)
  • 企業規模:中小・伝統工芸品メーカー(包丁等)

他社が参考にすべき点

  • 自社で輸送手段を持たない中小輸出企業でもScope3(輸送)を削減できる:GoGreen Plusのような物流会社提供のSAFプログラムを活用すれば、自社がSAFを調達する必要なくCO₂削減実績を得られる。
  • 欧州向け・長距離ルートほど削減効果が大きい:航空便の削減ポテンシャルは輸送距離に比例するため、欧州・北米向けの長距離ルートに優先適用するとROIが最大化する。
  • 23.7%削減は輸送全体の数値:特定ルートに絞れば削減率はさらに高い可能性がある。全体平均の改善に加え、重点ルートでの効果は別途計測するとCDPやSBT申告で活用しやすい。
  • 伝統工芸・中小製造業のScope3対応事例として希少:大企業に多いSAF/Scope3対応が中小輸出製造業でも実現可能であることを示す事例。同業種・同規模企業にとってそのままトレースできる手順。