実装のポイント
流通商社の山善は、自社拠点のScope2削減と、仕入先・顧客側のScope3削減を連動させる「3層アプローチ」を確立。商社という業態では自社の直接排出より仕入先・販売先の排出量(Scope3)が圧倒的に多いため、自社再エネ化だけでは不十分という課題に対し、PPA供給・CO2算定ツール提供・省エネ商品販促を組み合わせた実装モデルを構築している。
具体的な手順
Layer 1: 自社拠点の再エネ100%化(Scope2削減)
- 大阪ガスの「D-Green RE100」電力メニューを採用(Daigasエナジーが代理店として仲介)
- 非化石証書(再エネ指定)付きの電力料金プランで、RE100の技術基準をクリア
- 1拠点ずつ段階的に切り替え実施:2024年以降順次導入、2026年4月に広島支社が6拠点目に
- 全6拠点合計で年間約848t-CO₂削減(一般家庭約340世帯分相当)を達成
Layer 2: 仕入先メーカーへのPPA供給(Scope3カテゴリ1削減)
- 「DayZpower」(山善×Daigasエナジーの共同ブランド)を使ったコーポレートPPAを仕入先に提案
- 山善が仕入先工場の屋根上に太陽光発電設備を無償設置・所有(仕入先の初期費用ゼロ)
- DaigasエナジーがPPA事業者として20年間維持管理し、仕入先に再エネ100%電力を供給
- 仕入先の製造時CO2排出量が削減→山善が購入する製品のカーボンフットプリントが低減(Scope3カテゴリ1)
Layer 3: 省エネ商品の販促(Scope3カテゴリ11削減)
- 「グリーンボールプロジェクト」で省エネ商品の販促・CO2算定アプリ(GBP App)を顧客企業に提供
- 顧客側の使用時排出量(カテゴリ11)削減に貢献
得られた結果
- 自社6拠点で年間約848t-CO₂削減(2026年4月時点)
- 仕入先(をくだ屋技研等複数社)でDayZpower導入・年間約11万kWh/拠点の再エネ供給
- 流通商社として「Scope3が最多排出カテゴリ」という業種固有課題への体系的回答を構築