研究の概要

家庭が屋根置き太陽光(rooftop PV)を導入すると、電力を「実質無料」と認識して使用量が増える「ソーラーリバウンド効果」が発生する。本論文は欧州における屋根置き太陽光の大量導入計画に、この行動変化を明示的に織り込むべきだと主張する。著者らは家庭データとシミュレーションにより、リバウンド効果の大きさと、それがもたらす系統側コストを推定した。

主な発見・成果

  • 屋根置き太陽光導入家庭では、導入前比で一定割合の電力消費増が観測される(特に空調・EV充電)。
  • リバウンド効果を無視してネットゼロ計画を作ると、系統コスト・追加火力発電需要を過小評価する。
  • 政策は「晴天時の消費シフト」を促すインセンティブ(時間帯別料金・見える化・スマートサーモスタット連携)を伴うべきと提言。

実務への応用

企業が自社施設に太陽光+蓄電池を導入する際、従業員の行動変化(EV充電・空調設定)を織り込まないと「自家消費率」予測が大きくズレる可能性がある。リバウンド効果を抑制する運用ルール(晴天時の負荷シフト、見える化ダッシュボード)を併設することが、CO2削減量の実現性を高める。自治体の住宅PV補助事業設計でも、導入後の行動ナッジ施策とのセット提供が費用対効果を改善する。