実装のポイント

昭和産業(食品・化学品メーカー)は茨城県神栖市の鹿島工場において、産業廃棄物として処理されていた建設廃材由来の木質チップを燃料とするバイオマス発電ボイラーを導入し、2026年4月3日に起動式を実施した。自社工場の電力・蒸気需要に対して再生可能エネルギーを内製化するという「廃棄物エネルギー化(WtE)」の実装モデルとなっている。設備投資額は約40億円

具体的な手順

燃料調達

  • 建設現場から発生する国内産の建築廃材を収集・破砕した木質チップを使用。
  • 廃材は産廃処理に費用がかかる素材であり、調達コストを抑制できる逆有償モデルに近い構造。
  • バイオマス燃料のライフサイクルCO2は「植物が大気から吸収したCO2を再放出するだけ」とみなされるため、化石燃料代替として排出量算定上ゼロカウントが可能(カーボンニュートラル燃料)。

設備仕様

  • 発電出力:1.5MW(工場内自家消費)
  • 蒸気生産量:36.5t/h(工場プロセスへ供給)
  • 電力と蒸気の両方を同時に製造するコジェネレーション的な活用で熱効率を最大化。

既存設備との統合

  • 生成した電力・蒸気は鹿島工場の既存プロセスに直接接続し、外部からの化石燃料由来エネルギー購入量を削減。
  • 工場のエネルギー管理システム(EMS)と連携して自家発電量に応じた外部電力使用量を調整。

得られた結果

指標
年間CO2削減量約3.7万トン
基準年(2019年度)比削減率約8%
2030年度削減目標37%以上
2035年度削減目標53%以上

単一設備で全社排出量の8%を削減できる規模のインパクトは、製造業において設備投資型の脱炭素施策が有効であることを示している。