実装のポイント

日本国内の排出量取引市場は2023年10月に東京証券取引所で開設され、2026年4月時点でクレジット価格は約5,000円/トンに達している(2024年4月比2倍以上)。政府は2027年度中に企業ごとのCO2排出上限を決定する予定であり、年10万トン以上排出する300〜400社が制度的な排出量取引の対象となる見込みだ。自社の脱炭素戦略にクレジット活用を組み込むタイミングとして重要な局面にある。

具体的な手順

J-クレジット制度の仕組み

  • 認証主体:国(経済産業省・環境省・農林水産省)が運営する政府認証プログラム(2013年度開始)
  • 対象となる活動:省エネ設備導入、再エネ発電、森林吸収(植林・間伐)、農業・畜産分野の排出削減など
  • 認証量:2026年4月時点で1,359件の事業が参加、1,333万トンのクレジットが認証済み
  • 目標:2030年度までに1,500万トンの認証を目指す

クレジット創出側の参加手順

  1. J-クレジット制度事務局への申請書類(方法論・モニタリング計画)を提出
  2. 第三者審査機関による妥当性確認(初回検証)
  3. 省エネ・再エネ設備の導入・運用開始
  4. モニタリング期間(通常1年)のデータ収集・記録
  5. 第三者機関による検証→クレジット認証・発行

購入側(オフセット活用)の手順

  1. 東証の排出権取引市場または相対取引でクレジットを購入
  2. 購入クレジットをJ-クレジット登録簿で自社口座に移転
  3. Scope1・2の残余排出量に充当しカーボンオフセット申請

得られた結果

指標数値
J-クレジット市場規模(2026年)約5,000円/トン
認証済みクレジット総量1,333万トン
参加事業数1,359件
世界の排出量取引市場規模約790億ドル(2025年)

政府による企業別排出枠の設定が2027年度に始まると、超過排出企業が市場でクレジットを買わざるを得なくなるため、現時点での早期参加(クレジット創出側)には価格上昇の恩恵を受けやすいタイミングである。