実装のポイント
NECは2026年4月、SSBJ(サステナビリティ基準委員会)基準に対応した「サステナAI」の開発を発表した。2027年度から時価総額3兆円超のプライム市場上場企業に義務化されるSSBJ基準への対応を、AIで効率化する取り組みだ。ISSBを含めると約1,300ページに及ぶ基準文書の読解・解析から開示文書の作成まで一気通貫で支援するシステムを社内実装し、工数削減の定量効果を確認した。なお、NEC自身はCDP最高評価を7年連続で取得しており、TNFD報告書作成でも類似技術(92%工数削減)を先行実証している。
具体的な手順
システムが実行する主な4機能:
- 基準分析:SSBJおよびISSB基準(約1,300ページ)を自動解析し、自社への適用要件を抽出する
- データ収集・評価:開示義務に関連する社内外データを収集し、充足度を評価する
- 文書作成支援:開示ナレーティブの文章を自動生成・提案する
- 品質保証:最新基準および同業他社の開示事例と照合して代替文案を提示し整合性を検証する
NECはまず社内での実装で有効性を検証するアプローチを採用。TNFD(自然関連財務情報開示)対応でも同手法により92%の工数削減を達成した実績を持つ。
得られた結果
- 工数削減率93%:基準理解から文書完成までの全プロセスで実現
- 品質の均質化:専門知識の少ない担当者でも一定品質の開示資料を作成可能に
- 展開ロードマップ:2026年度内にS2(気候関連開示)でサービス提供開始、その後S1(一般開示)へ拡張予定
- エージェントAI化:タスクを自律分解・実行するエージェント機能への発展を計画