やったこと

福島県会津坂下町は2026年4月1日より、UPDATER(東京都世田谷区)が提供する再エネ100%電力小売サービス「みんな電力」を通じて、町内公共施設5カ所に地元の木質バイオマス電力を供給する取り組みを開始した。年間131tのCO2削減を見込む。電力改修工事ゼロで達成したエネルギー地産地消モデルである。

具体的な手順・工夫

電力調達スキームの設計

福島県内に立地する「会津こもれびバイオマス発電所」由来の電力と非化石証書を組み合わせ、再エネ100%・カーボンニュートラルな電気として施設に届ける。物理的な電力は一般送配電ネットワークを経由するため「どの発電所の電気か」を物理追跡はできないが、非化石証書を同量購入することで特定発電所の環境価値を帰属させる「グリーン電力証書スキーム」を採用した。

地産地消設計の工夫

電源は福島県内の木質バイオマス発電所に限定した。地域内の森林資源(間伐材・廃材等)を燃料とすることで、電力調達費が地域の林業・燃料供給業者への収入となり、脱炭素と地域経済活性化を同時に実現する構造にした。

自治体の申込から稼働までの流れ

  1. 会津坂下町がUPDATERの「みんな電力」サービスに申し込む
  2. 「会津こもれびバイオマス発電所」由来の電力+非化石証書パッケージを選択
  3. 既存の受電設備はそのまま活用(設備改修工事なし)
  4. 電力供給契約を締結し、2026年4月1日より供給開始

非化石証書の役割

電力そのものは系統経由で届くが、非化石証書により「この電力はバイオマス由来の再エネである」という環境価値が認証される。自治体のScope2排出量をゼロとして報告できるため、GHGインベントリや地球温暖化対策実行計画の改善に直結する。

得られた結果

  • CO2削減量:年間131t
  • 対象施設:公共施設5カ所
  • 再エネ比率:対象施設100%達成
  • 電源:会津こもれびバイオマス発電所(福島県内木質バイオマス)
  • 開始:2026年4月1日

他社が参考にすべき点

  • 設備改修ゼロで再エネ調達を実現:既存の受電設備をそのまま活用し、電力契約の切り替えのみで再エネ100%を達成できる。初期投資が限られる自治体・中小企業にとって最も低ハードルな方法。
  • 地域特定型バイオマス証書の活用:みんな電力のような「発電所特定型」電力小売を利用することで、地元資源由来の再エネを調達しつつ地域経済への貢献を数値で示せる。ESGレポートへの記載にも有効。
  • 非化石証書の実務:電力取引的には購入電力(低圧・高圧問わず)に非化石証書を組み合わせるだけでScope2をゼロ化できる。131t削減(5施設)は規模感の参考値として活用可。
  • 自治体の温対計画実行手段:地球温暖化対策実行計画(区域施策編)を持つ自治体が「公共施設の再エネ100%化」を実施した先行事例。契約ベースでの削減量申告が可能。