実装のポイント
Sustainable Brands国際会議2026(東京)で、花王・ホンダ・ECOMMITの3社が「次世代サステナブル・マーケティング」の実践知を共有した。特に花王の「フューチャーエコペコボトル」は、環境効果を訴求せずに製品設計でCO₂45%・プラスチック40%削減を実現した事例として注目度が高い。また、ECOMMITのPASSTOは全国6,000カ所の回収網と専門ソーターで98%以上の資源回収率を達成しており、循環型サプライチェーンの実装モデルとして具体性が高い。
具体的な手順
花王の実装アプローチ(フューチャーエコペコボトル):
- 課題特定:詰め替え容器への消費者移行障壁を「面倒さ」と特定。環境意識ではなく使いやすさが行動変容の鍵と見極める
- 体験設計:「潰す際のペコ音」「ゴミ減容」という官能・実利体験を製品に組み込む(環境性能は訴求しない)
- 環境効果の内包化:プラスチック使用量40%削減・CO₂排出量45%削減を製品設計に埋め込む
- 市場検証:食器用洗剤「キュキュット」で12年連続市場1位を維持しながら環境負荷削減を両立
ECOMMITの実装アプローチ(PASSTO):
- 全国約6,000カ所の回収ボックスを小売店・商業施設と連携して設置
- 年間約13,000トンの物品(主に衣類)を回収
- 専門ソーターによる丁寧な分別で98%以上の資源回収率を達成
- 「捨てる」ではなく「次に渡す」という価値再定義でユーザーの廃棄行動を変容させる
ホンダの素材循環実装:
- 2025年N-ONE e:の扉バイザーにリサイクルアクリル樹脂を採用
- 三菱商事とALTNAを設立し、EVバッテリーを定置型電力貯蔵に転用
得られた結果
- 花王:CO₂排出量45%削減、プラスチック使用量40%削減(詰め替え容器比)
- ECOMMIT:年間13,000トン回収、98%以上の資源回収率
- 共通知見:環境メッセージより「実利・楽しさ」訴求が消費者行動変容に有効であることが3社で一致