やったこと

ミツウロコアグリ(埼玉県さいたま市)は2026年4月、さいたま市内の未利用農地6.5ヘクタールを再生し、「ソーラーシェアリング(農地上部での太陽光発電)+スマートハウス農園」を開始した。発電電力はさいたま市内9拠点に供給し、農業では国産コーヒー・天然バニラ・原木マイタケ・露地野菜を栽培する。さいたま市の2つの補助金を活用し、武蔵野銀行と日本政策金融公庫が資金面を支援している。

具体的な手順・工夫

未利用農地の活用と農業継続の両立

農地法上の「農地」として維持したまま上部空間に太陽光パネルを設置するソーラーシェアリング形態を採用。農地転用が不要で手続きが簡素なため、耕作放棄地・休耕地の再生と再エネ化を同時に実現できる。対象6.5haの農地は全て未利用農地から再生したもので、農地の有効活用という行政ニーズとも合致している。

パネル下の遮光特性を活かした作物選択

太陽光パネル下部は「遮光環境」になることを逆手に取り、遮光・半日陰を好む作物を選定した。特に原木マイタケは「パネル下部の遮光環境下での自然栽培技術を確立」し、日本古来の原木栽培方式を継続している。国産コーヒー・国産天然バニラは通常の農産物より高付加価値であり、農業収益性を確保しながら太陽光売電収益との二本柱で事業収支を成立させている。

地域補助金と地元金融機関の活用

さいたま市の2つの補助金(農地再生・再エネ振興系)を組み合わせて活用。武蔵野銀行(地域金融機関)と日本政策金融公庫の融資を組み合わせることで、地元金融のグリーン関連融資ニーズにも応えている。

スマート農園技術による管理効率化

ドローンや遠隔監視制御などの先進技術を導入した「スマートハウス農園」として運営。6.5haという広大な農地を少人数で管理するための省力化投資として機能させ、農業としての収益性を確保している。

得られた結果

  • 対象農地:6.5ヘクタール(未利用農地再生)
  • 電力供給先:さいたま市内9拠点
  • 栽培品目:国産コーヒー・天然バニラ・原木マイタケ・露地野菜
  • 技術:ドローン・遠隔監視、パネル下遮光栽培技術確立
  • 資金:さいたま市補助金2件+武蔵野銀行+日本政策金融公庫

他社が参考にすべき点

  • ソーラーシェアリングは農地転用不要で農家・農業法人が最も参入しやすい再エネ形態:農地法上の農地を維持したまま参入でき、耕作放棄地再生と組み合わせると行政・金融機関の合意が取りやすい。
  • パネル下作物選定が収益の鍵:遮光環境に適した高付加価値作物(マイタケ・コーヒー・バニラ等)を選ぶと農業収入と発電収入の二本柱で事業収支が安定する。低付加価値作物では農業サイドの収益性が不十分になりがち。
  • 6.5ha・9供給拠点が都市近郊ソーラーシェアリングの参考規模:地方都市郊外の耕作放棄地を活用したソーラーシェアリング+地域PPA供給モデルの現実的スケールとして参照可。
  • スマート農園技術(ドローン・遠隔監視)で広面積の省人化が可能:6ha超の農地を少人数で管理する際の技術的アプローチとして、ドローン+遠隔監視の組み合わせが有効な参考事例。