やったこと

キユーピー・三菱ケミカル・リファインバース・東洋製罐グループホールディングス・カスミ(スーパー)・鹿嶋市の異業種6者が連携し、使用済みドレッシングキャップ・ペットボトルキャップを回収→化学再生→再製品化するクローズドループを2026年4月に本格稼働させた。2025年9〜11月のパイロット実証を経て製品化に至った。再生材は三菱ケミカルの化学再生PP素材「NOVAORBIS-CR」として供給される。

具体的な手順・工夫

リレー方式のバリューチェーン構築

6者が「リレー形式」で役割分担することで、回収から製品化まで一気通貫のスキームを実現した。具体的な役割分担は:

  • キユーピー:ドレッシング容器・キャップの供給元(排出事業者)
  • カスミ(スーパー):店頭での使用済みキャップ回収窓口
  • 鹿嶋市:地域の回収拠点として連携
  • リファインバース:回収プラを分別・前処理
  • 三菱ケミカル:化学再生技術でNOVAORBIS-CRに転換
  • 東洋製罐グループ:再生PPを使った新容器製造

化学再生PPの採用理由

物理再生(メカニカルリサイクル)ではなく化学再生を選択した理由は品質の安定性。食品容器に使われる再生PPは食品衛生基準を満たす必要があり、化学再生により原料レベルに戻してから再重合することで食品接触用途に使えるバージン相当品質を確保している。

パイロットでの課題解決

2025年9〜11月の3ヶ月パイロットで、回収ルートの確立・分別精度・再生収率のデータを取得。店頭回収と自治体回収を組み合わせることで回収率を確保した。

得られた結果

  • 2026年4月22日:NOVAORBIS-CRを使用した再生容器製品の販売開始
  • 参加組織:6者(食品メーカー・素材メーカー・スーパー・自治体・容器メーカー)
  • パイロット期間:2025年9〜11月
  • 使用素材:化学再生PP「NOVAORBIS-CR」(三菱ケミカル)

他社が参考にすべき点

  • 「排出事業者+小売+自治体+素材メーカー+容器メーカー」の5役割を埋めるとクローズドループが成立:食品メーカー単独では回収・再生・製品化のどれも単独では完結しない。役割ごとに専門プレイヤーをリレー形式でつなぐことがポイント。
  • 化学再生PP(NOVAORBIS-CR)は食品容器の循環に使える実用素材:物理再生では食品用途に戻せないPPを化学再生で再利用可能にする手段として三菱ケミカルが商用提供中。
  • スーパーの店頭回収が回収率を左右する:カスミのような近隣スーパーを回収窓口にすることで、消費者接点の確保と分別品質の両立を図っている。
  • 2025年パイロット→2026年商業展開の速度感:3ヶ月の実証から半年以内に製品販売まで到達。早期スケールアップを狙う食品メーカーの参考になる。