実装のポイント
日本郵船(NYK)は、従来の重油燃料に代えてアンモニア(NH₃)を主燃料とする船舶を開発・実証中。IHI造船製のアンモニア燃料エンジンを採用し、アンモニア混焼率約95%を実現している。温室効果ガス排出量を最大約94%削減できる技術として、国際海事脱炭素化の中核的な手段として注目される。
具体的な手順
課題1:毒性対策
- アンモニア配管区画を居住区から完全隔離
- 漏洩時は水シャワー式の吸収システムで自動封鎖
- 遠隔操作室・二重扉の避難区画・空気取入口自動シャットオフを設置
課題2:燃焼安定化
- 燃料混合比・空気量・温度パラメータを精密制御する専用エンジンを開発
- IHI造船が大規模燃焼実験を繰り返し、安定燃焼条件を特定
課題3:亜酸化窒素(N₂O)対策
- CO₂の約300倍の温暖化効果を持つN₂Oを船外触媒排気処理システムで無害化
実証プロジェクト
- 2024年8月竣工「魁(さきがけ)」:世界初のアンモニア燃料タグボート(横浜港で運用中)
- 2026年11月竣工予定:容量40,000m³の世界初外航アンモニア燃料ガス運搬船(AFMGC)
- 2033年までに計15隻のアンモニア燃料船を整備予定
得られた結果
- GHG排出量:重油単独比で最大94%削減を達成
- アンモニア混焼率:約95%
- 世界初の実用タグボートとして横浜港で商業運用を継続中
- AFMGC向けに「機械室アンモニア安全(MRS)」クラス認証を申請中
- 2033年までに15隻展開計画により、日本の外航船脱炭素化をリード