実装のポイント

鹿島は愛媛県大洲市の八鳥坂ダム仮排水トンネル工事のインバート(底盤)施工に、環境配慮コンクリート2種を組み合わせて投入し、通常の高炉セメントB種使用時比でCO₂排出量を合計約45トン削減することに成功した。2026年4月に完成した本施工は、土木工事における低炭素コンクリートの実用化事例として注目される。既存の施工フローを大きく変えずに2種類の低炭素コンクリートを使い分けることで、高い削減効果を実現した。

具体的な手順

Step 1:コンクリート種別の選定と適用区域の設定

  • インバート全体の施工量を分析し、2種の環境配慮コンクリートを適用区域ごとに割り当て
  • ECMコンクリート:インバート面積の約32%(912.4m³)に適用
  • CO₂-SUICOM型枠:インバート全スパンの約70%(163.8m²)に適用

Step 2:ECMコンクリートの配合・施工

  • 「ECMコンクリート」(Energy・CO₂・Minimum)は普通セメントの代わりに高炉スラグ微粉末を主材料として使用
  • セメント製造由来のCO₂を大幅削減する配合設計を採用
  • 通常のコンクリートと同等の打設・養生プロセスで施工可能(専用設備不要)

Step 3:CO₂-SUICOM型枠の施工

  • セメントの一部を産業副産物(高炉スラグ等)と専用混和剤で代替したコンクリートを型枠に使用
  • 炭酸化養生(CO₂をコンクリート内部に吸収・固定させる処理)を実施
  • コンクリート自体がCO₂を固定するため、排出量算定上マイナス計上が可能

Step 4:CO₂削減量の算定・検証

  • 基準(高炉セメントB種)との比較でCO₂排出量差分を算定
  • ECMコンクリート区域:約44.2tのCO₂削減
  • CO₂-SUICOM型枠区域:炭酸化養生による約0.9tのCO₂固定

得られた結果

  • 合計CO₂削減量:約45トン(高炉セメントB種比較)
  • ECMコンクリート:44.2t削減 / 912.4m³使用(インバートの32%)
  • CO₂-SUICOM型枠:0.9t固定 / 163.8m²(スパン70%)
  • 通常の土木工事施工フローを大きく変更せずに適用完了
  • 施工場所:愛媛県大洲市・八鳥坂ダム仮排水トンネル(2026年4月完工)