実装のポイント

三重県多気郡多気町は2026年度、町役場をはじめとする公共施設9か所の照明をLED化するにあたり、購入ではなくリース方式を採用した。これにより初期投資をゼロに抑えながら、脱炭素化を推進できる仕組みを構築している。

リース方式では、リース会社がLED照明機器を一括購入し、自治体は定額料金で借り受ける。ポイントは「電気代削減分でリース料を賄える」構造にあり、手元資金を使わずに省エネ改修を実行できる。行政予算の平準化(コスト均等化)も同時に実現する。

具体的な手順

  1. 議会承認と予算計上:2026年度の一般会計補正予算として658万1千円を計上し、議会の議決を経て事業化
  2. 対象施設の選定:役場庁舎を含む9か所の公共施設を初年度対象に設定
  3. リース契約の締結:リース会社と契約し、LED機器の調達・設置をリース会社側が実施(自治体の初期費用はゼロ)
  4. 5年間での全施設展開:2030年度までに町内全公共施設でLED化100%を目指す段階的ロールアウト

得られた結果

  • 電気使用量の削減率:試算で86%削減(既存照明比)
  • 実質コスト負担:電気代削減分がリース料相当額をカバーするため、追加支出なしで改修が完結
  • 脱炭素への貢献:公共施設の運用段階CO2排出量を大幅に圧縮し、地方自治体レベルでのScope 1・2削減を実現

自治体・中小企業への示唆

このモデルは「予算がない=省エネできない」という固定観念を崩す。電気代削減分でリース料を充当する「コストニュートラル構造」は、資金調達が難しい中小自治体や中小企業でも再現可能な省エネ実装フレームワークとなっている。