実装のポイント
水稲栽培の「中干し」作業の期間を延長するだけで土壌からのメタン排出を抑制し、J-クレジットとして認証できることが、バイウィルの「おこめラボ」プロジェクトで実証された。第68回J-クレジット制度認証委員会で正式認証を取得し、全国の稲作農家が費用負担ゼロで脱炭素活動をクレジット化できる仕組みとして提供されている。
具体的な手順
削減メカニズム
水田土壌は湛水状態が続くと嫌気性分解が進み、メタン(CH4)が発生する。「中干し」は出穂前に一度水を抜いて田面を乾かし、土壌を好気状態に転換する作業。この期間を従来より延長することで:
- 嫌気性分解の抑制時間が増加
- 土壌から大気へのメタン放出量が減少
- 農業生産への影響は軽微(過剰分げつ防止という既存農業目的とも両立)
J-クレジット申請の流れ(プログラム型)
- おこめラボへの農家参加登録(初期費用ゼロ・バイウィルが費用負担)
- 中干し期間の延長実施・記録提出
- バイウィルがプログラム型プロジェクトとして複数農家の活動を束ねて一括申請
- 審査対応・書類作成はバイウィルが担当
- 認証取得後、クレジット収益を農家に還元
プログラム型申請のメリット
個別農家が単独でJ-クレジットを申請すると、登録・審査費用が削減量による収益を上回るケースが多い。プログラム型では複数農家の活動を束ねることでスケールメリットが生まれ、費用対効果が改善する。
得られた結果
第68回J-クレジット制度認証委員会で正式認証取得。農家にとって「金銭的リスクを負うことなく脱炭素活動の収益化」が可能となり、農業分野でのカーボンクレジット創出の実装モデルとして機能している。中干し延長は水稲の品質・収量にほとんど影響しないため、既存農家が追加コストなく参加できるハードルの低さが特徴だ。