実装のポイント

farmo株式会社の水位センサーとフェイガー株式会社の脱炭素プラットフォームを組み合わせ、圃場での日常的な水管理データを自動収集することで、みどりの食料システム戦略に基づく「みどり認証」の申請手続きを大幅に簡素化した。水位センサーが中干し期間中の日々の水管理データをクラウドに自動送信するため、農家が申請のために別途記録作業を行う負担がない。土地改良区という既存の農業インフラを申請単位として活用し、複数農家のデータをとりまとめて団体申請するスキームを確立した点が横展開ポイントとなっている。

具体的な手順

ステップ1: 圃場へのセンサー設置

farmoの水位センサーを圃場に設置する。センサーはクラウドに常時接続しており、水位・水管理日数データをリアルタイムで自動送信する。農家が追加で記録作業を行う必要はない。

ステップ2: 中干し延長管理の実施

センサーデータをもとに出穂前の中干し期間を適切に延長管理する。延長中干しは根張り強化・倒伏防止・収量向上という農業目的と、土壌嫌気性分解の抑制によるメタン発生量低減を同時に達成する。センサーが記録した期間・実施状況データがそのまま認証申請の根拠証跡となる。

ステップ3: 土地改良区単位での団体申請

フェイガーのプラットフォームを通じ、土地改良区が傘下の複数農家の実施記録を集約してみどり認証(みどりの食料システム戦略)の団体申請を一括実施する。農家の個別申請に伴う書類作成・審査対応コストを排除し、集団でのスケールメリットを活用できる。

得られた結果

指標内容
実証地区栃木県小山市 小茂川西部土地改良区
参加農家数15名
認証区分みどりの食料システム戦略 みどり認証
先行事例栃木県内の土地改良区として初の団体申請によるみどり認証取得

個別農家が単独でみどり認証やカーボン認証申請を行うと、記録・書類作成コストが認証によって得られる収益を上回るケースが多い。土地改良区がとりまとめ単位になることで、固定コストを参加農家全体でシェアでき費用対効果が大幅に改善する。J-クレジット(バイウィル等が手掛けるスキーム)との違いは、本モデルが「みどり認証」を対象としており、農業水利組合・土地改良区という農家に既存の組織インフラを活用している点にある。