研究の概要

空調機器などのサーモスタット制御負荷(TCL)の集合体が電力系統に提供できる需要応答柔軟性を定量化する手法を開発した。マルコフ連鎖モデルを用いてTCLの2次動特性を捉え、「リーチ・アンド・ホールドセット」の近似計算問題として最適化定式化を行った。初期条件やTCLパラメータの不確実性に対するロバスト性分析も実施している。

主な発見・成果

  • リーチ・ホールドセットにより「どの程度の電力を、どの程度の時間、シフトできるか」を事前に正確に把握可能
  • 集合体の柔軟性を正確に特性評価し、電力消費を効果的に制御できることをシミュレーションで確認
  • TCLパラメータ不確実性に対するロバスト性も定量的に評価
  • 系統運用者がデマンドレスポンス指令前に利用可能な柔軟量を予測できる

実務への応用

デマンドレスポンス(DR)アグリゲーターや系統運用者は、空調負荷群の柔軟性を事前定量化することで、より精度の高いDR入札・計画が可能になる。再エネ大量導入時の出力変動緩和策として分散型熱負荷群の制御戦略を立案する際の定量的根拠として活用できる。