研究の概要

再生可能電力によるアンモニア製造(ReP2A)と従来のグレーアンモニア生産者が炭素市場・アンモニア市場を介して競合する構造に対し、階層型インセンティブメカニズムを設計した。炭素枠配分メカニズム(PCAM)によりグリーン・グレーアンモニア間の利益再分配を実現し、全体的な経済厚生を損なわずに排出削減を達成する方法を提案した。

主な発見・成果

  • セクター全体収益をわずか1.8%減少させるのみで12.9%の炭素排出削減を達成
  • 提案メカニズムは全ステークホルダーの個別合理性を保証し参加意欲を維持
  • KKT条件に基づくMILPで効率的に最適解を導出
  • 炭素市場とアンモニア市場の連動による相乗効果を定量的に示した

実務への応用

グリーンアンモニア事業者・化学メーカー・政策立案者は、炭素価格と製品市場を連動させたインセンティブ設計が脱炭素化の経済的実現可能性を大きく高めることを確認できる。ETS(排出権取引制度)設計やサプライチェーン脱炭素(Scope 3)の調達戦略において、取引先のグリーン化を促す市場連動型インセンティブ設計の参考事例となる。