実装のポイント

前川製作所の工場向けヒートポンプシステム「ZERO-Cool」は、冷房と給湯を1台で統合することで高い省エネ効果を実現する。一般的な工場では冷房設備とボイラー(給湯)を別々に運用するため、冷房の排熱はそのまま大気へ廃棄されている。ZERO-Coolはこの廃熱を回収して温水製造に活用し、ボイラーの燃料消費を大幅に削減する仕組みだ。給湯ボイラーの燃料削減分を冷房電力コストに充当することで、システム全体のランニングコストを約55%削減できる。CO₂排出量は約61%削減されることが同社の試算で確認されている。

具体的な手順

ステップ1: 既存設備の現状把握

工場内の冷房(スポットクーラー・天井空調等)とボイラー(蒸気・給湯)の年間エネルギー消費量・運用コストをそれぞれ把握する。夏場の冷房負荷と通年の給湯需要を定量化することで、ZERO-Coolへの統合で得られる削減量を事前に試算できる。

ステップ2: ZERO-Coolヒートポンプへの統合置換

既存の冷房設備とボイラーをZERO-Coolに集約する。冷媒サイクルで冷風を工場内に吹き出しながら、凝縮器側の排熱で温水を同時生成するため、冷房と給湯を1系統でまかなえる。前川製作所の全国54拠点が導入支援・メンテナンスを担当する。

ステップ3: 運用効果の継続モニタリング

室温・電力消費・ガス消費量を定期計測し、削減効果を可視化する。改正労働安全衛生規則の暑熱対策記録とも兼用できる。

得られた結果

指標効果
ランニングコスト削減約55%
CO₂排出量削減約61%
室温低下効果最大6.6度
除湿効果約27L/時

改正労働安全衛生規則による工場の暑熱対策義務化強化を背景に、前川製作所は全国展開を加速させている。冷暖房・給湯が並行して必要な食品工場・製造工場での優先度が高い。