実装のポイント

日本風力開発(JWD)は、固定価格買取制度(FIT)の期間が終了した「卒FIT」風力発電所を活用し、三浦市の下水道コンセッション事業者に再生可能エネルギー電力を供給する小売電気事業を2026年4月1日から開始した。

新規発電所への企業PPAだけでなく、既存の卒FIT再エネ設備を電力販売に転用するという戦略で、再エネ供給の長期安定化と環境価値の追跡可能性(トレーサビリティ)を同時に実現している。

具体的な手順

  1. 卒FIT風力発電所の選定:銚子屏風ヶ浦・銚子鯉浜・館山(千葉県)の3拠点にある既存風力発電設備をFIT期間終了後も活用対象として特定。
  2. トレーサビリティ付き非化石証書の調達:発電所を特定できる「トラッキング付き非化石証書」を組み合わせ、環境価値の出所を顧客(三浦市コンセッション事業者)に対して証明可能にした。
  3. 電力量と証書の組み合わせ:風力由来の実電力量にトラッキング非化石証書を組み合わせることで「実質再エネ100%」を構成した。
  4. 料金体系の設計:燃料費調整額および市場価格の変動を受けない固定的な料金体系を設計。公共インフラ(下水道)に適した長期予算の安定性を確保した。
  5. 供給開始:三浦市が2020年に宣言したゼロカーボンシティ目標に沿い、2026年4月1日から電力供給を開始した。

得られた結果

  • 供給先:三浦市下水道コンセッション事業者(公共インフラへの再エネ供給)
  • 電力品質:実質再エネ100%(トラッキング非化石証書付き)
  • 環境価値:発電所特定可能な証書により環境価値の出所を証明
  • 価格安定性:燃料費・市場変動の影響を受けない固定料金体系
  • 意義:FIT期間終了後の再エネ設備を「卒業させない」ことで、再エネ供給量の持続的確保に貢献

公共自治体や地方インフラ事業者が再エネ電力を調達する際の、価格安定性とトレーサビリティを両立するモデルとして参考になる。