研究の概要
SEGソーラーは2026年5月、米国テキサス州ヒューストンに新たな4ギガワット(GW)規模の太陽光モジュール製造工場の建設を発表した。同社は既に2GW規模の米国内製造設備を持っており、新工場の稼働によりグループ全体の米国国内生産能力は計6GWへと拡大する。本発表は、インフレ削減法(IRA)による国内製造奨励策と、クリーンエネルギー設備へのサプライチェーン審査強化を背景に、国内太陽光製造への大規模投資が相次ぐ流れの中での動きとなっている。
主な発見・成果
- 新工場の投資額は2億ドル超、工場面積は約5万平方メートル(約45,000㎡)に及ぶ大型プロジェクト
- 稼働開始予定は2026年第3四半期、ヒューストン地域に最大800名の雇用を創出
- ヘテロジャンクション(HJT)セル等の次世代太陽光技術にも対応できる製造ライン設計を採用
- インドネシアでは5GWのインゴット・ウェーハ工場も建設予定(2026年第2四半期着工)であり、上流から下流まで一貫した垂直統合サプライチェーンを構築
- 完成後、SEGは「米国最大規模の完全国内資本による太陽光モジュールメーカー」になると見込まれる
実務への応用
日本の太陽光関連企業・商社・エネルギー政策担当者にとって、米国内製造拡大の動向は重要なベンチマークとなる。太陽光パネルの国内製造奨励策(IRA型)の効果が実際の大規模投資として顕在化しているという点で、日本における再エネ産業政策の設計に参照できる。また、①グローバルプロジェクト開発におけるIRA適合パネルの調達計画見直し、②HJT等次世代技術への製造対応動向把握、③中国依存の分散・国内調達強化の動向として認識しておくことが実務上有益。さらに、米国進出を検討する日本の太陽光関連企業には、SEGモデルの垂直統合型ローカル製造戦略が有効な参考事例となる。