実装のポイント
航空業界のGX(グリーントランスフォーメーション)において、JALグループが2025年度のGX経営目標を達成したと発表した。世界に先駆けてCORSIA(国際民間航空機関の炭素相殺スキーム)適格の燃料・クレジットを活用した実装事例として、同業他社の参考になる。
具体的な手順
① CORSIAの仕組みを理解してから参入 CORSIA(Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation)は国際線の排出増加分を相殺する枠組み。適格燃料(SAF)と適格クレジットの2ルートがある。JALは2024年に適格SAFの調達を開始し、2025年には適格クレジットの取得・廃却まで実施した。
② SAF調達の実装 年間燃料消費量の1%(約4万キロリットル)をSAFに置き換え。政府・民間の公式パートナーシップ、国内開発SAF、地域での原料回収プログラムという多層的な調達戦略を採用。単一ルートに依存しないことがリスク分散のポイント。
③ 機材効率化との組み合わせ A350・787・A321neo・737-8等の燃費効率の高い機材比率を45%まで引き上げ。機材近代化・SAF・クレジットの3層構造でGX目標を達成。クレジットだけに依存しないことが重要。
④ フェーズ目標の設定
- 2030年目標:CO2排出量を2019年比5%削減
- 2050年目標:CO2排出量を95〜99%削減 短期・長期の目標を国際規制(CORSIA)に合わせて設定することで、社内投資優先順位の判断軸になる。
得られた結果
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| SAF置き換え率 | 年間燃料消費量の約1% |
| SAF調達量 | 約4万キロリットル(FY2025) |
| 燃費効率機材比率 | 45% |
| FY2025 CO2排出量 | 921万トン(2019年比以下を維持) |
| 2030年目標 | CO2 5%削減(2019年比) |
CORSIA適格クレジットの取得・廃却まで完了したのはアジアの航空会社では先駆的事例。