実装のポイント
神奈川県が推進するブルーカーボン事業では、潜水士・船舶なしで藻場炭素量を計測できる「無線自律型水中ドローン(AUV)」を活用した調査体制を段階的に構築し、2025年12月に国内初のJ-クレジット認証を取得した。BlueArch株式会社のAUVをコアに、水上ドローンとの連携制御を組み合わせたことが技術的なブレークスルーとなっている。
具体的な手順
フェーズ1:自律・操縦切替型での初期実証(2025年度)
- 衛星誘導式AUVを使用し、自律と操縦の切替が可能なシステムを導入
- 藻場の分布・密度測定を実施し、初期クレジット申請データを取得
- 2025年12月: J-クレジット制度での国内初認証を取得・販売完了
フェーズ2:水上ドローン×水中ドローン連携(2026年3月)
- 株式会社UMIAILEの水上ドローンを陸上局から中継ハブとして配置
- 水上ドローン経由でAUVを遠隔制御する「中継通信アーキテクチャ」を確立
- 城ヶ島でワカメ藻場の面積・密度測定を実施
フェーズ3:完全自律型AUVによる単独展開(2026年7月予定)
- BlueArch製の「陸上(港)から発進・完全自律制御」AUVを採用
- 船舶も水上ドローンも不要な最小限のオペレーション体制を実現
- 城ヶ島のカジメ藻場を対象に実証実施予定
クレジット申請のフロー
- AUVによる藻場面積・炭素蓄積量の実測データ収集
- J-クレジット制度への申請書類作成(測定データ・方法論の提出)
- 第三者機関による認証審査
- クレジット発行・販売(令和9年1月から次回販売予定)
得られた結果
- 国内初: J-クレジット制度でのブルーカーボン認証を取得(2025年12月)
- 初回クレジット: 2026年3月に全量購入完了
- 次回販売: 令和9年1月頃を予定
- 背景課題: 神奈川県内の藻場面積は約30年で半減しており、回復・保全のCO2吸収源評価が急務
- 「簡易かつ低コスト」な藻場測定・申請モデルの確立により、他自治体・漁業事業者への横展開が可能な実装パターンを提示