実装のポイント

配送業務のCO2排出量は事業全体の約3分の1を占めることが多く、フリートEV化は最も直接的な脱炭素手段の一つである。グリーンコープ中遠支部は2026年4月、配送トラック全24台のEV化を完了した。単なる車両置き換えに留まらず、再エネ電力での充電・自家消費太陽光の設置・使用済みバッテリーの循環スキームをセットで実装することで、Well-to-Wheelベースのゼロエミッション配送体制を実現した。

同支部の配送由来CO2排出は年間約4,778トン(組織全体の約3分の1)。グリーンコープ全体では2022年から段階的にEV導入を開始し、2027年カーボンニュートラル達成を目標として2026年度中にさらに206台の追加導入を予定している。

具体的な手順

  1. 車種・用途別に最適EVを選定:大型配送には日野デュトロZEV(17台)、軽量配送にはホンダN-VAN e:(4台)・三菱ミニキャブEV(3台)を積載量・航続距離に応じて組み合わせる。単一車種への依存を避け、配送ルートの実態に合わせた選定が重要
  2. 再エネ電力プランへ切り替え:充電電力を自社の「グリーンコープでんき」(太陽光・小水力・地熱・バイオマス由来)に統一し、電力由来のCO2排出をゼロ化。EVは走行時にCO2を出さなくても充電電力が化石燃料由来では実質削減効果が限定されるため、電力調達の切り替えが前提になる
  3. 自家消費型太陽光発電を事業所に設置:出力45kWの自家消費型太陽光発電システムを設置し年間約63,000kWhを自給。充電コストの低減と追加的なCO2排出削減を同時に実現する
  4. バッテリー循環スキームへの参加:福岡県の「グリーンEVバッテリーネットワーク」に参画し、使用済みバッテリーの回収・リユース・再製造を推進。廃棄問題に対応しLCA全体の脱炭素を担保する
  5. 段階的ロードマップで全社展開:2022年の試験導入から始め、各事業所の移行スケジュールと年度別台数目標を策定。予算・調達・充電インフラ整備を計画的に進め、2027年のカーボンニュートラル達成をマイルストーンとして管理する

得られた結果

中遠支部で全24台のEV化が完了し、配送部門での化石燃料消費がゼロになった。再エネ充電・自家消費太陽光との組み合わせにより、走行時・充電時双方のCO2排出をゼロ化。組織全体では配送由来CO2年間約4,778トン削減を目標とした5年ロードマップが進行中。使用済みバッテリーの循環でLCA全体の脱炭素も担保されている。