やったこと

UCCグループのホーマーコーポレーション(滋賀県東近江市)は、コーヒー飲料の製造工程で発生するコーヒー抽出残渣(コーヒー粕)を廃棄せず、バイオマスボイラーの燃料として活用するシステムを構築し、2026年4月8日に稼働を開始した。食品製造工場における廃棄物活用型の脱炭素化モデルとして注目される。

具体的な手順・工夫

コーヒーの抽出工程では、豆から液体成分を取り出した後に大量の固形残渣(コーヒー粕)が発生する。これまで産業廃棄物として処理されていたこの残渣を、専用バイオマスボイラーに投入し燃焼させる。発生した排熱エネルギーを回収して蒸気を生成し、工場内の製造プロセス熱源として再利用する仕組みを構築した。化石燃料で賄っていた工程熱をバイオマス由来に切り替えることで、Scope 1排出量の直接削減を実現している。また、廃棄物処理費用として計上していたコストを燃料費削減に転換できるため、ダブルの経済効果が期待できる。

得られた結果

年間GHG削減量は674トン(CO2換算)。UCCグループ全体でのカーボンニュートラル目標達成に向けた中核施策として位置付けられており、グループ内の他工場や他の製造残渣(茶殻等)への展開も視野に入れている。

他社が参考にすべき点

食品・飲料メーカーで「湿った有機廃棄物」が大量発生する工場(茶殻、コーヒー粕、食品残渣等)はこのアプローチが直接適用可能。バイオマスボイラー導入は前処理設備も含めた初期投資が必要だが、廃棄物処理費と化石燃料費の二重削減で回収が見込める。まず自社の製造残渣の発熱量・発生量を調査し、ボイラーサイジングの前提条件を整理することが最初のステップ。