やったこと

九州電力送配電(福岡県福岡市)は2026年4月8日、配電系統に接続された家庭用電気温水器(約120件)と系統用蓄電池を対象としたデマンドレスポンス(DR)のフィールド実証を開始した。2025年6月の検討開始発表から約10ヶ月で、需要家招集・関係事業者との調整を完了させ、実証フェーズへ移行した。

具体的な手順・工夫

太陽光など再エネの発電量が多い時間帯(日中の余剰が発生しやすい時間帯)に、遠隔制御で電気温水器の加熱タイミングを前倒しする。通常は深夜タイマーで動作させている温水器を、再エネ余剰時に稼働させることで系統の混雑を解消しつつ再エネ電力を有効活用する。系統用蓄電池も充放電スケジュールを動的に調整する。今回のフィールド実証の対象はスマートメーター設置済みの家庭用温水器(エコキュートは対象外)と系統用蓄電池に絞られており、まず実証規模を限定して有効性を検証する段階から開始している点が実務的なアプローチとして参考になる。

得られた結果

実証開始フェーズのため定量成果はこれから蓄積される。検証対象は「系統混雑の解消への有効性」と「再エネ最大活用への貢献度」の2点で、結果は実証終了後に公表予定。需要家への事前説明・同意取得、制御システムとの接続確認といった準備フェーズが10ヶ月で完了したことが1つの成果。

他社が参考にすべき点

エネルギー管理サービス(EMS)や新電力がDRプログラムを設計する際、温水器は「需要の時間シフト」が比較的容易なアセット。スマートメーターを前提とした遠隔制御基盤が整えば設備追加なしで実施できる。九電の事例は申請から実証まで10ヶ月というリードタイムの目安としても活用可能。