実装のポイント

カナダのSvante Technologies、メドウレイク部族評議会(MLTC)、Microsoftの三者が締結したBECCS(バイオエネルギー+CCS)プロジェクトは、木材加工残渣を燃焼してCO2を回収・地中貯留し、15年間で62万6000トンのCDR(炭素除去)クレジットを供給する先進的な実装モデルである。第三者機関によるMRV(測定・報告・検証)が義務づけられており、クレジットの信頼性確保の仕組みが明確化されている。

具体的な手順

  1. バイオマス供給源の確保: サスカチュワン州のMTLCバイオエネルギーセンターが地域の製材所・森林製品工場から出る廃棄バイオマスを持続可能な形で調達
  2. CO2の回収: バイオマス燃焼施設に新設するSvante製CO2回収プラントで排ガスからCO2を分離・捕捉
  3. 輸送と地中貯留: 回収したCO2をNorth Star Carbon Solutions LPが所有・運営する地質学的貯留サイトに安全に輸送・圧入
  4. MRV(測定・報告・検証)の実施: 独立した第三者機関が「炭素除去クレジット基準」に従い毎年クレジットを検証・発行
  5. 長期契約によるスケール確保: 15年間の供給契約(年間最大9万トンCDRクレジット)を先行締結し、設備投資の財務安定性を確保

得られた結果

  • 総炭素除去量:62万6000トンCDR(15年間)
  • 年間最大:9万トンのCDRクレジット
  • 2029年初頭に商業運転開始予定
  • 持続可能な廃棄バイオマスと地中貯留の組み合わせによる「恒久的な炭素除去」を実証
  • Microsoftのカーボンネガティブ目標達成に貢献する大規模CDR調達モデルとして業界標準を形成