実装のポイント
カーギルはフランス・ボプト工場(カラギーナン・バイオポリマー製造)の最もエネルギー集約的なプロセスを、機械式蒸気再圧縮(MVR: Mechanical Vapor Recompression)技術で近代化した。約2,500万ユーロ(約45億円)の投資により、従来の天然ガスボイラーによる蒸気生成を電動式MVRシステムへ置き換え、2025年末から本格稼働を開始。工場全体のGHG排出量を45%削減し、年間約13,700メトリックトンのCO₂削減効果を達成した。
具体的な手順
Step 1:エネルギー集約プロセスの特定
- 工場全体のエネルギー使用実績を分析し、最も消費量の大きい製造工程(蒸発・乾燥プロセス)をターゲットとして選定
- 蒸気使用量・天然ガス消費量の実績データをもとに削減ポテンシャルを定量評価
Step 2:MVRシステムの設計・選定
- MVRの仕組み:製造工程中に発生する蒸気を回収 → 圧縮機で再圧縮 → プロセス熱として再利用する循環システム
- 電力で駆動する圧縮機が天然ガス燃焼の代替となり、排気CO₂を排出しない
- 再エネ電力と組み合わせることでScope1・Scope2の両方を同時削減できる設計を採用
Step 3:既存設備との統合・導入
- 既存の天然ガスボイラーを電動MVR装置に置き換える設備改修を実施
- 生産品質(カラギーナン等の物性)への影響が出ないよう、蒸気圧・温度パラメータを精密に調整
- 2025年末までに導入・試運転を完了し本格稼働へ移行
Step 4:GHG削減量の計測・検証
- サイト全体のGHG排出量を旧システム比較でモニタリング
- 年間約13,700メトリックトンのCO₂削減効果を確認・開示
得られた結果
- GHG排出量:ボプト工場全体で45%削減(旧天然ガスシステム比)
- 年間CO₂削減量:約13,700メトリックトン
- 投資額:約2,500万ユーロ(約45億円)
- 本格稼働開始:2025年末
- カーギル全社目標「2035年までに事業排出量25%削減」に大きく貢献