研究の概要
北欧4カ国(デンマーク・フィンランド・ノルウェー・スウェーデン)の電力部門が2050年に気候中立を達成するための移行経路を8種類のエネルギーシステムモデルで比較分析した。モデル間の入力値を意図的に統一せず、実際の政策立案現場での多様性を反映した比較設計を採用。
主な発見・成果
- 全8モデルが2050年に向けて風力・太陽光が主力電源化する方向性で一致
- 原子力容量は全シナリオで縮小傾向
- ネットゼロ達成時の残余排出量は「小規模な残余排出」から「ネットマイナス」まで幅がある
- CCS(炭素回収貯留)の役割とキャパシティ水準はモデル間で大きく異なる
- 違いはモデル構造・再エネ資源量前提・技術スコープの違いに起因することを特定
実務への応用
企業のGX担当者や政策立案者が複数のエネルギーシナリオを参照する際、モデルの前提(再エネ資源量・CCS役割・技術スコープ)が結果の大きなばらつきを生むことを認識することが重要。日本の電力部門脱炭素シナリオ評価においても、複数モデル比較と前提の透明性確保が不可欠であることを示唆する。