やったこと

山口県が2026年3月に公開した「山口県森林J-クレジット取組事例集 ~未来へつなぐ森林資源の循環を目指して~」を整理。森林J-クレジットの創出側5事例・購入側4事例の計9事例を収録。

具体的な手順・工夫

森林J-クレジット創出事例(5件)

創出者特徴
公益財団法人やまぐち農林振興公社県有林・公益財産を活用したプロジェクト登録
吉川林産興業株式会社民有林の適切な管理によるCO2吸収量認証
長門市市有林を対象とした自治体主導の創出事例
山口県東部森林組合組合員林の一括取りまとめによるプログラム型登録
山口県西部森林組合広域な組合員林をまとめてクレジット化

森林組合が組合員林を「取りまとめ役」として一括申請するプログラム型は、個別事業者の負担を抑えてクレジット化できる有力手法。自治体(長門市)が主体となることで地域の森林整備費用を回収する仕組みも確認できる。

森林J-クレジット購入・活用事例(4件)

購入者活用目的
株式会社イトーキカーボンオフセット・企業CSR活動
東洋鋼鈑株式会社Scope2・Scope3のオフセット
株式会社日本旅行旅行商品・法人向けカーボンオフセット
一般財団法人山口県環境保全事業団地域内の環境教育・普及活動への活用

地場の購入者が「山口県産」のクレジットを購入することで、売却益が県内森林整備に還元される地域循環モデルが成立している。

J-クレジット制度の基本構造(本事例集より)

  • 対象:省エネ設備・再生可能エネルギー・適切な森林管理によるGHG排出削減・吸収量
  • 国(環境省・経済産業省・農林水産省)が認証
  • 創出者メリット:売却益による森林整備費の確保
  • 購入者メリット:CO2排出量オフセット・企業価値向上・温対法での活用

得られた結果

  • 県内5件の創出事例と4件の購入事例が体系的に整理され、森林J-クレジットの一連の流れが把握できる
  • 森林組合・自治体・民間林業事業者の3タイプの創出パターンが示されている

他社が参考にすべき点

  • 森林組合や自治体が「取りまとめ役」になるプログラム型を検討する:個別の審査費用負担を分担でき、中小規模の森林所有者でもクレジット化が現実的になる
  • 「山口県産クレジット」のように地域ブランドで差別化できる:地元企業への優先販売・地域貢献PRに活用でき、購入者へのストーリー価値が高い
  • 購入側は温対法・CDP報告でのオフセット活用を視野に入れる:J-クレジット(森林)はScope1・2オフセットとして環境省の制度上認められている