実装のポイント

NTTグループおよびNTTアノードエナジーは2026年4月1日、山口県宇部市の公共下水道西部浄化センターにオフサイトコーポレートPPA(電力購入契約)を活用した再生可能エネルギー電力の供給を開始しました。これは「レベル3.5以上の水道PPP事業」への初の適用事例であり、上下水道施設における脱炭素化モデルの先進事例となります。

具体的な手順

1. PPA事業者との契約設計

NTTアノードエナジーが遠隔地にある自社太陽光発電設備と宇部市の浄化センターの間でオフサイトPPAを締結しました。契約期間は2026年〜2057年3月(約31年間)。長期固定契約により、エネルギーコストの安定化と再エネ調達の継続性を担保しています。

2. 系統電力を活用した電力供給スキームの構築

オフサイトPPAでは、自社発電設備の電力を既存の電力グリッドに流通させ、需要側の施設が「同量の再エネ電力」を受け取るという仕組みを採用。物理的な専用線は不要で、既存インフラを活用できます。

3. 直接供給分(23%)と非化石証書の組み合わせ

宇部市西部浄化センターの年間電力需要約224万kWhのうち、PPAによる直接再エネ供給は約23%。残りの電力については再エネ指定の非化石証書を調達することで、実質的な再エネ100%利用を達成しています。この「直接供給+非化石証書」の組み合わせは、全量をPPAで賄うことが難しい施設にも適用可能なモデルです。

4. CO2削減量の定量評価

本スキームにより、年間約1,231トン(CO2換算)の温室効果ガス削減が見込まれています。施設規模・電力消費量・グリッド排出係数を基にした定量評価を先行して実施し、事業性を確認したうえで契約に踏み切っています。

得られた結果

  • 年間電力消費量約224万kWhの施設で実質再エネ100%を達成
  • 年間GHG削減量:約1,231 t-CO2
  • 水道PPP事業(レベル3.5以上)への国内初適用事例
  • 31年間の長期PPAにより再エネコストを安定化
  • 上下水道施設は自家消費型の太陽光設置が困難なケースが多く、オフサイトPPAが有効な選択肢になることを実証