NISTEP調査が示す年収格差の実態

研究者支援機構(NISTEP)が公表する2022年の調査データによると、各国の研究助成機関の公示給与をOECDの購買力平価(PPP)で調整した場合、日本のポスドク年収中央値は約28,400ドルと、主要10カ国の中で最下位です。

最も高いスイス(74,000ドル)と比べると、日本の水準はその38%に過ぎません。次いでオーストラリア(64,000ドル)、米国(54,000ドル)、ドイツ(52,000ドル)と続き、欧州主要国でも日本の2倍前後の水準が標準です。

年収とキャリア継続率の二重課題

年収が低いだけでなく、日本ではポスドクの70%が翌年もポスドクを継続しています(NISTEP RM337、2021年度、N=13,657)。年収低水準とキャリア閉塞感の組み合わせが、ポスドク人口を2018年の15,590人から2021年の13,657人へと約12%減少させた一因と考えられます。

GX分野の求人動向との対比

postdoc.jpが収集している国内GX求人(早稲田大GXファイナンス研究員、理化学研究所DACポスドク、産業技術総合研究所CCS研究員など)は、大学給与レンジのポジションが中心です。一方、英国・ドイツ・オランダの同等ポジションでは、政策優先度の高い再エネ・CCS・カーボン会計分野で産学連携給与が上乗せされるケースが増えています。

GX領域で博士の専門性を活かすキャリア設計において、国際的な年収水準の把握は基礎データとなります。詳細なベンチマークデータはpostdoc.jpのObservatoryで確認できます。

出典:NISTEP RM337(2021年度)、各国国立研究助成機関公示給与2022年、OECD購買力平価。