実装のポイント
相鉄ビルマネジメントは2026年4月から、管理・運営する相鉄ジョイナス・相鉄万世橋ビルなど37物件の全使用電力を「実質再生可能エネルギー由来」に切り替えた。年間約34,000トンのCO2削減効果を見込む(2024年度CO2総排出量ベース)。既存建物への再エネ設備設置なしに、電力調達の仕組みだけで全棟を脱炭素化するアプローチとして参考になる。
具体的な手順
- 現状排出量の把握: 対象37物件の年間電力消費量とCO2換算量を算出。削減目標(2030年度に2020年度比42%削減)と照らし合わせ、電力調達の切り替えが最大インパクトを持つ施策と判断
- 調達プランの選定: 東京電力エナジーパートナーの「グリーンベーシックプラン」を採用。本プランの仕組みは以下の2種類の証書を組み合わせて「実質CO2排出ゼロ」を実現するもの:
- FIT非化石証書: 固定価格買取制度(FIT)対象の再エネ発電由来の環境価値を証書化したもの
- 再エネ指定の非FIT非化石証書: FIT制度外の再エネ発電(大型水力等)由来の環境価値を証書化したもの
- 契約切り替え: 既存の電力供給契約をグリーンベーシックプランに変更。設備投資不要で複数物件を一括で切り替え可能
- 排出量算定の更新: 切り替え後はScope2(電力由来)のCO2排出量を実質ゼロとして算定できる。グループ全体のCO2報告・投資家向けESG開示にも反映
得られた結果
37物件で年間約34,000トンのCO2削減(相当)を2026年4月から達成。設備工事なし・短期間で全物件の電力をグリーン化するという、ビル管理会社・施設管理会社にとって参考になる実装例。相鉄グループは2030年度に2020年度比42%削減を目標としており、本取り組みはその主要施策の一つとして位置づけられている。