やったこと
パルコは1970年から56年間続けてきた「パルコグランバザール」(夏の全館一斉セール)を2026年に初めて廃止した。「従来のカレンダー戦術から脱却し、体験価値提供を軸に営業企画を構築する」という方針転換の一環。地球温暖化による夏の長期化が背景にあり、「初夏に販売→真夏に一斉値引き」というサイクルが実態と合わなくなっていた。
具体的な変更内容・手順・工夫
廃止の判断プロセス:
- 夏物商品の販売期間が延びており、短期間での大量販売→大量値引きの必要性が低下していることを確認
- 従来の「カレンダー型営業」がファストファッション型大量消費を促進していたと自己評価
- 「体験価値」への営業シフトを打ち出し、商品の回転サイクルを気候実態に合わせて再設計
サステナビリティとの整合:
- 環境省目標:2030年度までに家庭からの廃棄衣類を2020年度の51.5万トンから25%削減
- 国内の衣類新規供給量は82万トン、うち約50万トン(家庭46万トン)が廃棄されている現状
- 一斉値引き廃止により、売れ残り在庫の発生を抑制し衣料廃棄を構造的に減らす効果を狙う
得られた結果
同業他社への波及効果も期待されており、業界全体のサステナブルファッション推進につながると見込まれている。「適量販売」と「衣料廃棄物削減」を同時に実現するビジネスモデルへの転換例として注目される。
他社が参考にすべき点
ファッション小売・アパレル・百貨店各社は「季節型一斉セール」が在庫廃棄を構造的に生み出す仕組みになっていないかを点検する機会。廃棄衣類の削減はScope3カテゴリ12(製品の廃棄)の削減にも直結する。大規模値引きイベントの廃止が「コスト節減」と「脱炭素」の両方に貢献できるかを試算することを推奨。