やったこと
リープトンエナジーが公開した解説を基に、オフサイトPPAとオンサイトPPAの仕組みの違い・費用構造・向いている企業の条件を整理した。設置スペースが確保できない企業や大規模電力需要家がオフサイトPPAを活用して再エネ調達を実現する手順を解説する。
具体的な手順・工夫
オフサイトPPAとは何か(仕組みの整理)
- 第三者が所有する太陽光発電所(自社敷地外)で発電した電力を購入する契約
- 発電所→小売電気事業者→需要家の送電網を経由して供給(オンサイトと異なり自営線ではなく系統を利用)
- 発電事業者と電力需要家が事前合意した価格・期間で契約
費用構造の実態(2023年度全国平均水準)
| コスト項目 | 高圧オフサイトPPA | 通常電気料金(高圧) |
|---|---|---|
| 発電コスト | 13〜16円/kWh | - |
| 小売コスト | 3円/kWh | - |
| 託送料(送配電) | 4円/kWh | 4円/kWh |
| 合計 | 20〜23円+再エネ賦課金 | 24.5円+再エネ賦課金 |
※自然エネルギー財団「コーポレートPPA日本の最新動向2024年版」より
オフサイトPPAの7つのメリット
- 土地・屋根スペースがなくても再エネ電力を導入できる
- 太陽光発電設備の初期費用0円(需要家負担なし)
- 契約によってはメンテナンス費用も発電事業者負担
- 発電設備の維持管理を発電事業者に委託できる
- 長期固定価格契約で電力価格の変動リスクを軽減
- CO₂排出削減に貢献でき環境価値を取得できる
- 複数の事業所に同一の再エネ電力を供給できる
4つのデメリットと対処法
- 長期契約(10〜20年): 電力使用計画・脱炭素目標と整合したうえで合意が必要
- 再エネ賦課金・託送料金が発生: 系統利用によりオンサイトPPAより電気料金がやや高い
- 与信調査によっては契約不可: 発電事業者の設備投資リスクに連動するため信用力が審査される
- 非常用電源は別途確保が必要: オフサイトPPAは通常の系統供給と組み合わせるため停電対応は別途設計
オフサイトPPAが向いている企業の判断基準
- 自社に屋根や敷地スペースが不足している
- 工場・物流施設・商業施設など大規模電力需要がある
- 複数拠点での再エネ調達をまとめて進めたい
- RE100・CDP・SBTiへの対応で追加性のある再エネ調達が必要
- 電力価格のボラティリティへのヘッジを求めている
得られた結果
- 大企業(RE100加盟企業)を中心にオフサイトPPA導入が増加しており、パナソニック・イオン・楽天などが活用
- 通常の電気料金と比較して0〜数円/kWhの差でコスト競争力を持ち、再エネ賦課金込みでもほぼ同等または若干安い水準
- 複数拠点の電力調達を一括で再エネに切り替えられた事例が蓄積されている
他社が参考にすべき点
- 都市部オフィス・賃貸物件を多く持つ企業: 屋根所有権がなくてもオフサイトPPAなら再エネ調達可能。RE100対応の第一手として有効
- 物流・製造・商業施設などの大需要家: オンサイトPPAで賄いきれない電力量をオフサイトPPAで補完し、再エネ比率100%を目指せる
- 電力調達担当者: 導入前に「年間使用量・拠点数・既存電力契約の残存期間」を整理し、発電事業者との与信審査を通過できる財務体力を確認しておく