やったこと

2026年6月30日、欧州委員会がPET製使い捨て飲料ボトルにおける再生材含有率の算定・検証・報告方法を定める実施規則を採択した。最大の特徴は「ケミカルリサイクル由来の再生材を算定対象に世界で初めて追加」したことだ。

具体的な手順・工夫

なぜケミカルリサイクルが対象化されたか

「食品残渣や添加剤、複合素材を含むプラスチック廃棄物は機械的リサイクルだけでは十分に処理できない場合がある」という認識から、ケミカルリサイクルが初めて算定対象に。

ケミカルリサイクルの特徴:

  • プラスチックを分子レベルまで分解
  • 新たなプラスチックや化学製品の原料として再利用
  • 機械的リサイクルでは難しい食品接触材等の高品質用途への循環が可能

段階的実装スケジュール

第1段階(2026年7月〜) EU・EEA域内産の再生プラスチックのみが算定対象。企業はまずEU域内のケミカルリサイクル素材サプライヤーを確保する必要がある。

第2段階(2027年11月21日〜) OECD加盟国由来の再生プラスチックも対象に追加。日本・韓国・アメリカ等からの再生材が含まれ、日本企業の対応が急務となる。

算定・検証・報告の仕組み

  • 再生材含有率の「検証・報告」が義務化
  • 第三者機関による認証を通じた透明性確保
  • ケミカルリサイクル由来の再生材は、マスバランス(質量収支)管理が必要

得られた結果

EU市場向けPETボトルについてケミカルリサイクル素材の調達・証明体制構築が急務となった。日本企業は2027年11月の対象拡大に向けて体制を整える必要がある。

他社が参考にすべき点

食品・飲料メーカーおよびプラスチック容器メーカーが取り組むべき点:

  • EU輸出品の確認:PET飲料ボトルをEU市場に出荷している場合、2027年11月以降の算定基準への準備を今から開始
  • ケミカルリサイクル素材サプライヤーの確保:ケミカルリサイクル由来再生PETを供給できる国内外サプライヤーをリストアップ
  • マスバランス管理体制の構築:ケミカルリサイクル由来素材のトレーサビリティ確保のための内部管理体制を整備
  • 中小食品メーカーでもEU向け輸出があれば2027年を見越した包材設計の見直しが必要