やったこと
九州経済産業局が発行した「九州地域におけるJ-クレジット創出・活用事例集」(2021年2月)を整理。地域循環モデル・クレジット創出・クレジット活用の3カテゴリーに分けて九州各地の中小企業・自治体・農協・NPOの具体的取り組みを解説。
具体的な手順・工夫
地域循環モデル事例(3件)
① みやま市(福岡県)バイオマスJ-クレジット 廃校を活用したバイオマスセンター「ルフラン」でメタン発酵・バイオガス発電を実施。自家利用分の年間200t-CO2のJ-クレジット創出をプロジェクト登録。認証クレジットを地域新電力「みやまスマートエネルギー」が買取り、需要家への低排出係数電力供給に活用。クレジット売却益は地域環境教育に還元するモデルを構築。手続は支援会社ATGREEN社と連携し、九州経済産業局の審査費用支援制度も活用。
② ながさき太陽光倶楽部(長崎県) 県・県民・地場企業のコラボによる太陽光発電を核とした地域循環モデル。住宅設置太陽光をプログラム型でまとめてクレジット化し、地域活性化・地域貢献につなげる仕組み。
③ そおリサイクルセンター(鹿児島県大崎町) リサイクル率日本一の大崎町との連携で地域循環共生圏を構築。省エネ相談地域プラットフォームとの連携で制度参加を拡大。
クレジット創出事例(6件)
| 事業者 | 取り組み | ポイント |
|---|---|---|
| JAからつ(唐津農業協同組合) | 高効率ヒートポンプ空調導入(からつエコ・ハウス倶楽部) | 農協が地域の農家や施設をまとめてプログラム型で申請 |
| 大分県 | 住宅への太陽光発電導入(おおいた太陽光倶楽部) | 行政が取りまとめ者となり個人住宅太陽光をまとめてクレジット化 |
| 宗像市 | 消化ガス発電(宗像終末処理場) | 下水処理場バイオガスで発電・自家利用しクレジット認証 |
| タカヒコアグロビジネス(大分県玖珠郡) | 地熱(温泉熱)利用型熱交換システム | 地域資源「温泉熱」を農業ハウス加温に活用 |
| 直方市水道事業 | 浄水場への太陽光発電導入 | 公共インフラへの再エネ導入でクレジット創出 |
| ヒガシマル(鹿児島工場) | 乾燥設備更新 | 醤油製造工程の乾燥設備を省エネ型に更新し継続収入を確保 |
クレジット活用事例(5件)
- 鹿児島環境・情報専門学校:教育現場でJ-クレジットとカーボンオフセットを実践的学習ツールとして活用
- ヤベホーム:建設業者が「長崎の森」保護のための森林J-クレジットを購入
- 北九州観光コンベンション協会:西日本最大の環境展「エコテクノ」をカーボンオフセットイベントとして運営
- ミリーヴ:令和2年7月豪雨被災の熊本県小国町森林整備にクレジット売却益を還元
- グローバルエンジニアリング:顧客ニーズに合わせた電力排出係数調整で新電力差別化
得られた結果
- 農協・行政・自治体がプログラム型の取りまとめ者になることで個々では申請困難な中小事業者・個人のクレジット化が実現
- クレジット売却益を地域環境事業・教育・森林整備に還元する「地域循環」モデルが複数地域で成立
他社が参考にすべき点
- プログラム型は農協・自治体が活躍できる:みやま市・大分県・JAからつのように地域まとめ役が存在することで、個別事業者の申請コスト・審査費用を下げられる
- 温泉熱・バイオガス・消化ガスも対象:太陽光や省エネに限らず地域固有のエネルギー資源をクレジット化できる
- クレジット活用も差別化ツールに:電力会社の排出係数調整・イベントオフセット・教育活動への活用で地域ブランド向上につながる