やったこと

2026年4月、日本政府は「循環経済行動計画」を策定し、製造業に対して再生材調達と資源循環の義務化に向けた具体的な数値目標と制度スケジュールを提示した。対象となるのは自動車・家電・容器包装メーカーを中心に幅広い製造業であり、単なる目標宣言ではなく、再生プラスチック利用率の数値規制(2028年度段階導入)や公共調達基準の変更(2030年度)が伴う実行型の計画である。

具体的な手順・工夫

金属リサイクルの数値目標(2030年)

  • 鉄スクラップ:高品位品を年間約200万トン追加確保
  • アルミニウム展伸材:再生原料比率を約4割に引き上げ
  • 国産電解銅:約3割を再生資源由来にする
  • 永久磁石:原材料の約3割をリサイクルで賄う
  • 官民投資:2030年までに約1兆円

企業に求められる対応

  1. 再生プラスチック利用計画の策定と定期報告(自動車・家電4品目・容器包装メーカー向けに義務化)
  2. 「再資源化事業等高度化法」に基づく事業認定を活用し、製造業とリサイクル産業の動静脈連携を構築
  3. 海外拠点発生スクラップ・使用済み製品の回収・処理先を戦略的に設計
  4. トレーサビリティ管理(回収体制・前処理・適正処理基準・人権・データ管理)の仕組みを整備
  5. グローバル・サーキュラリティ・プロトコルを活用した資源使用量・再生材利用率の情報開示

スケジュール

  • 2028年度:再生プラスチック利用率の数値規制を段階導入(自動車・家電から開始し対象を順次拡大)
  • 2030年度:グリーン購入法の全特定調達品目に再生プラスチック利用率等の基準を導入

得られた結果

この計画はまだ策定・公表段階であり、実績値はない。ただし、義務化の枠組みが法律(改正資源有効利用促進法)に根拠を持つため、対応は任意ではなく法的要件になる。再生材のコスト増加分の価格転嫁に関しては、政府が実証・支援を検討する方針。

他社が参考にすべき点

調達・品質保証・表示・顧客説明・価格転嫁の5つの社内機能が同時に影響を受ける。グローバル展開企業は国内外サプライチェーン全体の見直しが必要になる。まず「現状の再生材調達比率の把握」から始め、2028年の数値規制開始まで約1.5年しかない点を念頭に、今すぐ自社の対象品目と現行比率の棚卸しを行うことが最優先アクションとなる。