やったこと
旭化成グループ3社(旭化成ホームズ・旭化成リフォーム)とLIXILが2026年4月、住宅リフォーム工事で生じた使用済みアルミサッシ・雨戸等を中間業者なしで直接回収し、同等品質のアルミサッシとして再生する水平リサイクルスキームを関東地区で本格開始した。段階的なエリア拡大を予定している。
具体的な手順・工夫
- 現場での回収・仕分け: 旭化成ホームズのリフォーム工事現場でアルミサッシや雨戸等を取り外し、異種金属の混入を防ぐ仕分けを現場で実施
- 帰り荷による直送: 新部材をリフォーム現場に納品するトラックの帰り荷として使用済みアルミ材をLIXILへ直送。スクラップ業者・精錬所等の中間業者を介さないことで純度の高い原料確保とコスト削減を両立
- 低炭素アルミへの変換: LIXILが独自技術でリサイクルアルミ配合率を高めた「PremiAL(プレミアル)」として再製品化
- 供給先の固定化: 再生した住宅用アルミサッシを旭化成ホームズ向けに優先供給することで原料調達と販路を同時に確保した循環を実現
帰り荷ロジックが差別化の核心: 通常、使用済みアルミは解体業者→スクラップ商→精錬所という複数プロセスを経るため、異種金属混入や品質低下が発生しやすい。帰り荷による直送ルートにより高純度廃材を安定確保できる。
得られた結果
LIXILはアルミサッシ業界最高水準のリサイクルアルミ使用率(平均約80%)を維持。アルミのリサイクルは一次精錬と比較して製造エネルギーを約95%削減できるため、バージンアルミ使用比率の低減はGHG排出削減に直結する。旭化成は住宅長寿命化戦略の一環として、建材のクローズドループリサイクルを実現。2026年4月関東スタート後、段階的にエリア拡大予定。
他社が参考にすべき点
- 帰り荷ロジックの汎用性: 自社製品を納品するトラックの帰り荷で廃材を回収する方式は、建設・リフォーム以外(家電回収・資材リース・什器交換等)でも応用可能。追加輸送コストが実質ゼロに近い
- 垂直統合による品質管理: 原料調達先(LIXIL)と廃材排出元(旭化成リフォーム)が連携することで、原料品質の仕様を直接コントロールできる。異なる企業間でも排他的供給契約で同様の仕組みが構築できる
- 水平リサイクルの訴求力: 「同等品質の製品として再生(水平リサイクル)」はダウンサイクル(熱回収・路盤材等)より ESG報告での説明力が高く、顧客・投資家への訴求が容易
- エリア限定スタートの有効性: 全国展開の前に関東1地区でオペレーションを検証するアプローチは、回収スキーム立ち上げの標準的な手順として参考になる