実装のポイント

工場の有機溶剤系排ガス処理に使われる**RTO(蓄熱式排ガス処理装置)**に、耐熱セラミック触媒(ハニカム構造)を後付けするだけでバーナー燃料を30〜62%削減できる。村田製作所が国内外4拠点で実証し、試算(20〜30%削減見込み)を大きく上回る結果を達成した。

設備改造工事は不要で、既存のRTO内に蓄熱体と組み合わせて触媒ハニカムを挿入する。触媒が炉内の熱を安定させてバーナーの開閉を抑えることが削減の主因。交換時はハニカムを入れ替えるだけで実質2〜3日で完了する。

具体的な手順

ステップ1:導入前評価
既存RTOの処理対象VOC(揮発性有機化合物)の種類・濃度と、現行設定温度を確認する。

ステップ2:触媒の選定と設置
処理するVOCの種類に適合した耐熱セラミック触媒を選定し、既存蓄熱体と組み合わせてRTO内部に挿入する。工事期間は小規模設備なら1週間以内が目安。

ステップ3:段階的な設定温度の引き下げ
触媒導入後、炉の設定温度を50℃単位で段階的に引き下げながら(例:800℃→750℃→700℃→650℃)、VOC分解性能に問題がないことをステップごとに確認する。急激な引き下げはせず、各段階で安定稼働を確認してから次に進む。

ステップ4:省エネ効果の測定と記録
月次でバーナー燃料消費量を記録し、GHG削減量(Scope 1)をトン単位で算出。J-クレジット申請や社内カーボン価格制度への組み込みも検討する。

得られた結果

拠点燃料削減率
野洲事業所A53%
野洲事業所B32%
無錫村田電子(中国)37%
出雲村田製作所62%(年2,000tCO2削減相当)

投資回収期間:削減率が高い拠点では最短1年、平均でも初期費用の償却に2年かからない水準。触媒の寿命も長く、劣化部分の選択的交換が可能なため維持コストも低い。

RTO保有工場にとって、設備更新なしで達成できるScope 1削減策として再現性が高い。