やったこと
環境省は2026年4月、企業のGHG排出量算定に使う「排出原単位データベース」をVer.3.5(2025年3月)からVer.3.6に更新した。基礎データを2005年版から2020年版に刷新し、物価上昇も加味。海外サプライチェーンの反映手法も「GLORIA」等の国際DBを組み合わせた新手法に変更した。
具体的な変更内容・手順・工夫
主な原単位の変更幅(Ver.3.5→Ver.3.6):
- 銅・鋳鉄管:▲50%(半減)
- 鋼管:▲約40%
- その他の重厚長大産業の材料も大幅に下方修正
企業が今すぐ対応すべきステップ:
- Ver.3.6への差し替え確認:Scope3算定で使っている排出原単位を最新版に切り替える(特にカテゴリ1「購入した製品・サービス」の金属・建材系)
- 前年比較の注釈対応:原単位の変更により排出量が大幅に減少しても、実際の削減ではない。開示資料に「原単位更新による変化分」を別掲する
- 投資家対応の準備:海外機関投資家から「原単位の根拠」を問われるケースが増加。Ver.3.6の根拠資料(3EID・GLORIA)を把握しておく
- ツールベンダー確認:Scope3算定ツールを使っている場合、ベンダーのVer.3.6対応状況を確認する
得られた結果
重厚長大産業(金属・建材等)の調達比率が高い製造業・建設業・商社では、Scope3カテゴリ1の排出量が数十%単位で変わる可能性がある。第三者保証のある報告書は使用した原単位バージョンを明記する慣行の確立が急務。
他社が参考にすべき点
製造業・建設業・商社で鉄鋼・銅・アルミ等を大量調達する企業は影響が特に大きい。「原単位更新による見かけ上の削減」と「実態削減」を明確に区別して報告することがグリーンウォッシュ批判を避ける鍵。