やったこと
農林水産省・環境省は2024年度の食品ロス推計値を461万トンと発表した。これは2000年度(980万トン)から53%削減に相当し、SDGsの「2030年までに50%削減」目標を達成した世界唯一の国となった。前年から3万トン削減。経済損失は3.8兆円(国民一人当たり約31,000円)、生ごみ焼却には年間2.4兆円の税金が投じられている。
部門別の削減状況と要因
事業系食品ロス(237万トン)
- 前年比6万トン増加(外食産業の需要回復が影響)
- 食品製造業:110万トン
- 外食産業:70万トン
- 需要回復期の在庫・調理ロス管理が課題として浮上
家庭系食品ロス(224万トン)
- 前年比9万トン削減
- 削減要因①:物価高騰による購買行動変化(56.3%が「購入量を減らした」と回答)
- 削減要因②:冷凍食品活用による日持ち化(43.9%が活用増加)
企業が今すぐ対応すべきステップ
- 外食産業の事業系ロス削減:持ち帰り制度「mottECO」の店舗展開(認知度1割未満が課題)
- 食品製造業の需要予測精度向上:AI需要予測ツールの活用による製造・廃棄ロス削減
- 小売業の発注最適化:EOL(残日数管理)システムの精度向上と値引き販売ルールの整備
- Scope3カテゴリ11の算定:食品廃棄物由来のGHG排出量を可視化し、削減目標に組み込む
得られた結果
世界唯一のSDGs達成という実績は、日本の食品システム全体の取り組みが一定の成果をあげた証拠。ただし外食産業の事業系ロスは増加しており、回復期の在庫・調理管理が次の主戦場となっている。
他社が参考にすべき点
食品製造業・外食チェーン・食品小売業は「食品ロスをサプライチェーン全体の問題」として捉え直し、Scope3削減との一体運用が求められる時代。外食では「mottECO」のような持ち帰り制度の標準化が業界横断課題。政府の年次データを自社ロス率と比較しベンチマーキングすることで、削減余地の定量化が可能。