やったこと
農林水産省が2026年4月15日に発表した「遮光率3割未満」の新指針が、ソーラーシェアリング業界に混乱をもたらしている。従来の収穫量基準(近隣農地比80%以上)は維持しつつ、新たに「遮光率」という外形的な指標が加わった。本稿は規制の問題点と現場農家の具体的な声を整理する。
具体的な手順・工夫
新指針の内容
- 新基準:「遮光率3割未満」という数値目安を初めて明示
- 従来基準は継続:近隣農地比80%以上の収穫量維持
- しかし「遮光率の計算式」「分母に隣地を含めるか」など定義が不明確
現場で顕在化している問題
作物特性との乖離:みかん・抹茶用茶・稲作では「3割超の遮光が最適」な品種が多数。気候変動適応として遮光を増やすことが農業上有利なケースもある。
小田原かなごてファーム(みかん栽培)の事例 「近年の気温上昇により、むしろ3割を超えた遮光を行わないと実りが悪く、実っても味が落ちる」。農家が温暖化対策として選んでいた遮光が規制で阻まれる矛盾。
釧路町スマートソーラー社(26MW)の事例 生物多様性保護のため標準コストより10%増の経費をかけ、タンチョウやオオジシギなど希少種との共存を実現。「遮光率3割」の枠を超えた設計だが農業・環境両面で高評価。
得られた結果
農業生産者・再エネ事業者からは「収穫量基準(80%ルール)に戻すべき」との声が上がっている。外形的な遮光率規制は現場の創意工夫を封じる恐れがある。
他社が参考にすべき点
ソーラーシェアリングに取り組む農業法人・再エネ事業者への示唆:
- 農地転用許可申請前に「遮光率計算方法」を農業委員会に事前確認
- 作物の収穫量データと遮光率の関係を測定・記録し、「80%ルール」での承認ルートを並行検討
- 作物品種ごとの最適遮光率データを学術文献等で整備し審査資料として活用
- 気候変動適応で遮光を増やす設計なら、その農学的根拠を書面で示す