研究の概要

気候変動が進行する中、脱炭素化した電力系統における「供給信頼性(Resource Adequacy)」がどのように変化するか、また最適な再生可能エネルギーの設置地点(サイティング)がどう変わるかを分析した研究。気候変動シナリオを電力系統モデルに統合し、風力・太陽光主体のエネルギーシステムにおける供給信頼性リスクの変容を地域別に定量評価した。

主な発見・成果

  • 脱炭素化グリッドでは気候変動の進行により供給信頼性リスクが増大することを定量的に示した
  • 静的な供給信頼性評価(現在の気候を前提)は将来のリスクを過小評価する可能性がある
  • 地域特性を考慮した気候適応型サイティング戦略(例:特定地域への集中を避け多様な気候ゾーンに分散)により、供給信頼性リスクを効果的に緩和できる
  • 同一容量の再エネを異なる場所に設置することで、供給信頼性への影響が大きく異なることを示した

実務への応用

国内外で再エネの長期系統計画を立案する際、従来の「現在の気候条件」を前提とした供給信頼性評価では、2040年以降のリスクを過小評価するリスクがある。気候変動シナリオを統合した系統計画評価モデルの導入と、分散した地域・気候帯への再エネ設置を計画に組み込むことが、将来の供給信頼性確保に不可欠。再エネ事業者・送電会社・系統計画担当者にとって、長期的なポートフォリオ設計指針となる。