やったこと

関西電力の「太陽光発電オンサイトサービス(PPAモデル)」を活用した小売店舗・食品製造業の太陽光発電自家消費への転換事例を整理。2026年度からは年間エネルギー使用量1,500kL以上の店舗・工場に対して屋根置き太陽光の設置目標策定が義務化される見込みで、約12,000事業者が対象となる。

具体的な手順・工夫

株式会社トライアルカンパニー(全国スーパーセンター展開)

  • 2015年から屋根設置を開始 → 2020年12月時点で全国45店舗稼働
  • FIT買取価格低下を機に「売電型」から「自家消費型」へ方針転換
  • 2020年に大阪府富田林店・奈良県天理店にPPAモデルを導入
  • 決め手:①初期費用ゼロ、②競合他社比でランニングコスト低い、③点検・メンテナンスを関西電力に一任
  • 大型店舗は冷蔵・冷凍・空調・照明で日中電力使用量が大きいため、太陽光自家消費が「デマンド値」(最大需要電力)低減に直結
  • 今後:蓄電池と組み合わせたBCP対策への展開も視野

たねやグループ(「たねや」和菓子・「クラブハリエ」洋菓子)

  • 2050年よりも早い脱炭素達成を目標に掲げ、旗艦店「ラ コリーナ近江八幡」を先導役に位置づけ
  • 2023年オープンの「バームファクトリー」屋上に太陽光発電を導入
  • ラ コリーナ近江八幡全体の電力の約1/8を太陽光自家消費で賄える体制を構築
  • 残りの電力はCO₂フリー電気料金メニュー「再エネECOプラン」で調達し、旗艦店全体のCO₂排出量ゼロを実現

PPAモデルの仕組み(共通)

  • 第三者(関西電力)が設備を設置・所有 → 店舗側は「発電した電力を契約単価で購入」するだけ
  • 設計・施工・運用・メンテナンスをワンストップで提供
  • 屋上太陽光パネルの遮熱効果で夏場の空調負荷も低減

得られた結果

  • トライアルカンパニー:45店舗で太陽光稼働、自家消費型でデマンド値と電気代を同時削減
  • たねやグループ:旗艦店の電力1/8を太陽光自家消費+残りを再エネ調達でCO₂排出量ゼロを達成
  • 2026年度義務化対象(年間1,500kL以上使用の店舗・工場)に対し、PPAモデルなら初期費用ゼロで対応可能

他社が参考にすべき点

  • FIT終了後の既設パネルは「自家消費転換」が最優先:売電収益が下がるより自社電気代を下げる方が費用対効果が高い
  • PPAモデルは設備投資なしで義務化対応の切り口になる:2026年度からの設置目標策定義務化への対応として、初期コストゼロのPPAが現実的な選択
  • デマンド対策として太陽光を使う発想が重要:基本料金はデマンド値で決まるため、日中のピーク消費を太陽光でカットすると電気代削減が基本料金にも波及
  • 食品系製造業・小売業は冷蔵・空調での日中消費が大きく太陽光の相性が最高:日射ピーク時間帯と冷蔵・冷凍・空調使用ピーク時間帯が一致