やったこと
2025年7月時点の大手電力会社の料金体系とPPAモデルを比較分析し、自治体の中学校(100kW・年間120,000kWh)を標準モデルとして20年間の電力コストシミュレーションを実施。共同調達(アグリゲーション)など自治体特有の障壁を突破するソリューションも整理。
具体的な手順・工夫
1. 電気料金の現状把握
- 東京電力:夏季27.14円/kWh(市場価格調整の影響を直接受ける構造)
- 中部電力:基準市場価格19.37円/kWh設定、高止まりリスク大
- 政府の激変緩和措置(高圧1.0円/kWh補助)は2025年7〜9月で大幅縮小済み
2. PPAモデルのコスト構造
- オンサイトPPA単価:15〜18円/kWh(託送料金・再エネ賦課金が免除)
- 電力会社からの実質購入単価(20円/kWh以上)との比較で明確な価格優位
- 契約期間(通常20年)の固定単価または年率1.5%以下の上昇率設定
3. 20年間コストシミュレーション(東京エリア・100kW学校モデル)
- 電力会社購入:年間342万円(25円/kWh×120,000kWh)
- PPA導入後:年間223万円(17円/kWh×80%自家消費分)
- 年間削減額:約119万円、20年累計2,370万円超の削減
4. 自治体特有の導入障壁と解決策
- 技術的ハードル:屋根の耐荷重・老朽化チェックが先決
- 管理上のハードル:内部意思決定・複数年度予算の制約
- 法的障壁:単年度予算制度との複数年契約の整合
- 解決策:複数自治体の共同調達(アグリゲーション)でPPA事業者の参入コスト低減
得られた結果
- 共同調達モデルにより個別交渉より有利な単価でPPA契約が可能
- 初期費用ゼロ・メンテ不要で、電力コストの長期固定化と市場変動リスク遮断を同時実現
他社が参考にすべき点
- PPA単価の「Win-Winゾーン」は15〜18円/kWh:この範囲なら自治体側も事業者側も経済合理性が成立
- 再エネ賦課金(毎年上昇傾向)の免除が大きい:賦課金込みで比べると電力会社との差額はさらに広がる
- 担当者の「内部ブロッカー」が最大の壁:契約の詳細より先に首長・財務担当への説明資料を準備する
- 複数年度契約は「長期継続契約」として処理可能:自治体は地方自治法施行令167条の17を根拠に5年以上の長期契約が認められる