研究の概要

風力発電ファームの発電量最大化において、ウェイク効果(上流タービンの風況が下流タービンに与える負の影響)の低減は最重要課題の一つです。本研究は、FAST.Farmシミュレータ向けのPythonベースインターフェース「ffconnect」を開発し、風力ファーム制御(WFC)システムと現代の機械学習ツールをシームレスに接続する環境を実現しました。従来の研究環境では困難だったAI・データ駆動型制御手法の対話的設計・検証を可能にしています。

主な発見・成果

  • ほぼゼロのランタイムオーバーヘッド:元のFAST.Farmと比較してシミュレーション実行時間への影響が無視できるレベルに抑えられており、大規模シミュレーションでも実用的。
  • ヨー追跡ケーススタディでの有効性確認:ヨー角制御(風向きに対するタービン角度最適化)のケーススタディでffconnectの有効性を実証。機械学習によるウェイク低減制御の研究加速が期待される。
  • オープンソース公開:再現性と研究コミュニティへのアクセスを確保するためソースコードを公開。

実務への応用

洋上・陸上風力発電所のAI制御システム開発・評価に携わる技術者・研究者に有用なツールです。既存シミュレーションワークフローへの導入障壁が低く、強化学習や深層学習を活用したウェイク効果低減制御の試作・評価サイクルを短縮できます。風力発電ファームの設備利用率向上を目指す事業者の技術開発加速に貢献します。