やったこと
新潟県柏崎市ガス水道局は「バイオマスタウン構想」の一環として、これまで焼却処分していた下水処理場のメタンガスをエネルギーとして活用するバイオガス発電設備を導入した。マイクロガスタービン(95kW)2台を設置し、施設電力の約3分の1を自家発電で賄う体制を構築。余剰分のCO2削減量をJクレジットとして認証・創出し、地域金融機関である第四銀行へ売却する仕組みを整備した。
具体的な手順・工夫
Step 1: バイオガス発電設備の選定と設置 下水処理過程で発生するメタンガスの量と安定性を測定し、マイクロガスタービン(95kW×2台)が最適と判断。既存インフラへの接続点と電力系統の連系条件を確認してから設置工事を実施した。
Step 2: Jクレジット申請の準備 CO2削減量の算定に使うベースライン(従来の化石燃料由来の電力購入量)を過去実績から設定。排出削減量のモニタリング計画をJクレジット事務局に提出し、第三者検証機関による審査を受けた。
Step 3: クレジット売却先の開拓 地元の第四銀行と交渉し、ATMの年間消費電力に相当するクレジット量を継続購入する契約を締結。「グリーンATM」として銀行が対外的にPRできる枠組みを作ることで、双方にメリットが生まれる構造とした。
Step 4: 市民向け周知 第四銀行のATMに「グリーンATM」ステッカーを貼り、利用者が日常的にカーボンオフセットに参加していることを可視化。地域住民がJクレジットの仕組みを体感できる接点を設けた。
得られた結果
- CO2排出量: 年間670t削減(認証クレジット創出)
- 電力コスト: 施設電力の約1/3を自家発電で賄い、電力購入コストを大幅削減
- クレジット売却益: 第四銀行への売却で収益化
- 社会的効果: 地域エネルギーの地産地消モデルを確立し、市民のCO2削減参加意識を醸成
他社が参考にすべき点
自治体・公営インフラ事業者向け: 下水処理場・廃棄物処理施設が既にメタンガスを保有していながら焼却しているケースは全国に多数存在する。導入の鍵は「ガスの安定量確認→マイクロガスタービン容量選定→Jクレジット申請→地域企業への売却先確保」の4ステップを同時並行で進めることだ。クレジット売却先として地元金融機関・地元企業を巻き込むと、CSR・PRの相乗効果が生まれ交渉が成立しやすい。省エネ法・廃棄物処理法の許認可確認を先行させることが実装の前提となる。