実装のポイント
JR東日本が2022年3月から実証試験を続けてきた水素ハイブリッド電車「HYBARI(FV-E991系)」を、2027年度末を目途に日本初の水素利用営業車両として鶴見線・南武線(尻手~浜川崎間)で運行開始する。燃料電池+蓄電池のハイブリッドシステムで走行中CO2排出ゼロを達成。社内炭素価格(ICP)を1万5,000円/トンに引き上げる等、組織的な脱炭素推進体制も整備している。
具体的な手順
- 実証試験の完了: 2022年3月〜2026年にかけて起伏の緩やかな平坦線区(横浜エリア)で実証試験を実施。走行データ・水素消費量・設備信頼性を蓄積
- 営業用改造: 試験車両HYBARIを営業仕様に改造。鶴見線・南武線の線路条件・乗客輸送に対応した安全基準を適用
- 水素充填インフラ整備: 川崎市・鎌倉車両ベース(中原)に35MPa高圧水素充填設備を整備。1回充填で約70kmの走行距離を確保
- ICPの引き上げ: 社内炭素価格を5,000円/トンから1万5,000円/トンへ引き上げ、非化石証書価格上昇を反映した投資意思決定基準を整備
- 次世代開発着手: 70MPa高圧水素を使用してディーゼル車両同等の走行距離と勾配線区対応を目指す次世代型を開発開始、2030年度末営業運転目標
得られた結果
- 4年間の実証試験を経て営業運転に移行。日本初の水素利用鉄道車両の実用化へ
- 35MPa充填・1回70km走行という実用的な水素鉄道の仕様を確定
- 社内炭素価格3倍増(5,000→15,000円/tCO2)による投資判断基準の強化
- 「水素1%調達宣言」参加で火力発電設備燃料の1%以上を水素化する目標を設定