やったこと
自然エネルギー財団が2026年3月に公開した「コーポレートPPA 日本の最新動向2026年版」を精読し、2025年版と比較しながら変化点と新しい動向を把握した。
具体的な手順・工夫
2025年版からの4つの変化点
①複数需要家による共同契約(新登場) 2026年版で新たに追加された契約形態。複数の企業・自治体がまとめて1つのPPA契約を締結することで規模の経済による単価低減が可能。中小企業でも単独では難しい大型再エネ案件に参加できるようになった。
②オンサイトPPA契約単価の上昇傾向 中国製太陽光パネルの価格上昇見込み・人件費上昇による施工費増・金利上昇が重なり、オンサイトPPA単価が上昇傾向。ただし通常の電気料金よりは依然として安い水準を維持。オフサイトPPAは既設発電設備を対象とした案件が増加し、単価水準は安定。
③バーチャルPPAの拡大(大手中心) 大手企業を中心にバーチャルPPAを選択するケースが増えている。従来の電力契約を変更せず環境価値のみを長期調達できる柔軟性が評価されており、固定価格型バーチャルPPAなど変動リスクを抑える契約設計も登場。
④太陽光以外のPPAニーズが拡大 陸上風力を対象としたオフサイトPPAのニーズが高まっている。FIT認定発電設備のFIP転換(FIP転)により、風力案件でも太陽光と同水準の契約単価が実現するケースが増えている。洋上風力は発電コストの高さが引き続き課題。
2026年版の契約形態選定指針
- 敷地・屋根の余剰スペースがある → オンサイトPPA(単価上昇前に早期契約)
- 遠隔地の再エネ調達が必要 → フィジカルPPA or FIP転換を活用した風力オフサイトPPA
- 既存電力契約を変えたくない・複数拠点 → バーチャルPPA(固定価格型で変動リスク抑制)
- 単独では規模が小さい中小企業 → 共同契約スキームへの参加
得られた結果
日本のコーポレートPPA市場は太陽光中心から多様化が進み、企業規模・拠点状況に応じた選択肢が広がっている。共同契約スキームの登場で中小企業の参入障壁も低下しつつある。
他社が参考にすべき点
- 2026年はオンサイトPPA単価が上昇局面。既に検討中ならば2026年度中の意思決定が有利。
- FIT発電設備のFIP転換でPPA手段が増える。既存の太陽光FIT案件を保有する企業・地域新電力は積極的に転換を検討すべき。
- 共同契約スキームで中小企業でも大型再エネ調達が可能。業界団体・自治体主導のPPAプロジェクトへの参加機会を探るべき。